どうもゆとりです。
この記事では、資産運用で早期退職を目指すFIREについて解説します。
今回は、社畜でいることに危機感を覚え、3年前から資産運用を始めて、現在もFIREを目指して日々邁進する筆者の実体験・感想等を踏まえつつ、FIREのすすめについて紹介します。
FIREってそもそも何だっけ?
FIREとは、「Financial (経済的)、Independence(自立)、Retire(リタイア)、 Early(早期)」の頭文字を取ったもので、「働かずに生活できる収入源を確保し、仕事を早期にリタイア」することです。
FIREは、株式や不動産投資等の資産運用を通じて得た収益である「不労所得」で、生活費を賄うことにより、生活のためにイヤイヤ働く必要がなくなり、自分が本当に好きなことに、より多くの時間を使えるようになるライフスタイルのことです。
FIREは株式への投資など個人による資産運用が盛んなアメリカ発祥で流行している考え方で、最近は株式市場も好調で資産額を伸ばす人も多いため、日本でもFIREが改めて注目されています。
FIREの種類
FIREには、ざっくり以下の5種類あります。
全く働かないものから、とにかく早く達成するために、ちょとだけ働いて生活費の一部を賄うものなどがあります。
・ファットFIRE
・リーンFIRE
・サイドFIRE
・コーストFIRE
・バリスタFIRE
・ファットFIRE
生活費や娯楽費分も含め十分な金額を資産運用で賄い、全く働かなくても良い状態でFIREすること。
全く働かなくても良いのが魅力的!ただし、多くの金額を資産運用する必要があり、1番時間がかかるため、最終目標として達成したいFIREです。
・リーンFIRE
ファットFIREと同じで全く働かなくても良い状態となるが、生活費や娯楽費などの年間の支出をなるべく抑えた低い生活水準を維持してFIREすること。
全く働かなくても良いのは、やはり魅力的!ファットFIREに比べると資産運用する金額が減るため早期に達成でき、家や車、ブランド品など物欲があまりなく、節約が好きだったり得意な方は、こちらがおすすめ!
・サイドFIRE
生活費の半分を資産運用で賄い、残りの半分をサイドビジネス(副業)で賄うFIREのこと。
FIREに必要な金額が半分になるため、より短い期間で達成することができるのが魅力的!
せどりやブログなど自分の好きな副業をしながら、必要な額を稼ぐために少しの労働を行う必要があるので、FIRE後も副業で自分らしく働きたいという方はこちらがおすすめ!
・バリスタFIRE
生活費の半分を資産運用で賄い、残りの半分の金額をアルバイトやパートタイムにて賄うFIREのこと。
サイドFIREと同じように必要な金額が半分になるため、より短い期間で達成することができるのが魅力的!
副業はちょっと難しそうと思われる方、カフェや居酒屋、イベントスタッフなど、気になってる仕事・やってみたい仕事がある方はこちらがおすすめ!
・コーストFIRE
老後に必要な生活費を資産運用で賄えるだけの金額を作り終えた後に、引き続き今の仕事を継続し、仕事で稼いだお金のほぼ全て自由に使うFIREのこと。
老後までの期間が長いほど資産運用で増やせる金額が増えるため、必要となる金額はグッと少なくなります。
FIREの中でも必要な金額は少ないので、今の仕事に満足していて、老後の不安を吹き飛ばしつつ、楽しくお金を使って暮らしたい方におすすめ!
FIREの3つのメリット・デメリット
FIREのメリット
FIREにはたくさんのメリットがありますが、ここでは、3つのメリットを紹介します。
時間や場所に縛られることなく自由な生活を送れる
FIREを実現した後は、毎朝会社に行くために眠い目をこすりながら、早い時間に起きる必要がなくなります。
また、ストレスのたまる満員電車に揺られることもなくなります。
会社中心の生活から解放されれば、寝る時間を気にせず、夜更かしして好きな映画を見たり、新作のゲームを時間を忘れて思う存分楽しめます。
他にも、会社に行く必要がなくなるため、夏は涼しい北海道に住んで、冬は暖かい沖縄に住むなど日本全国を自由自在に移動しながら住むこともできます。
思い切ってアメリカ、ヨーロッパ、シンガポールなどの海外に住むこともできます。
お金に関する知識や感覚が身につき、お金の使い方がうまくなる
FIREを達成するためには家計の見直しを行ったり、資産運用の知識を習得したりする必要があります。
このため、FIREを目指すだけでも、お金に関する知識が幅広く身に付きます。
お金については、知らないだけで大きく損をしているケースがあり、お金の知識が身に付いて節約や節税、資産運用ができるようになると損をすることも少なくなり、さらにお金の使い方がうまくなります。
自分の好きなことに使える時間が増える
FIREを達成することで、今まで仕事に使っていた1日8時間以上の時間を自分の好きなように使えるようになります。
そのため、自分の趣味やボランティア活動など、仕事以外を中心にした生活スタイルに変えることができます。
もちろん、今の仕事が好きな人であれば、お金の心配をせずによりいっそう仕事に打ち込むこともできます。
FIREのメリットをもっと知りたい方は、別途FIREのメリットについて詳しく解説する記事を書きますのでそちらもご覧ください。
FIREのデメリット
FIREには次のような3つのデメリットもあるので注意が必要です。
・資産運用のリスクや市場の変動による資産減に対応する必要がある
FIREでは資産運用が必須ですが、株式投資などの資産運用には元本保証がないため、リーマンショックやバブル崩壊など市場の変動や経済危機などで資産が大きく減ってしまう可能性があります。
その対策として、あらかじめ現金等の資産を余分に抱えておくか、年間の支出を減らしたり、または副業やアルバイトなどをして収入を増やしたり臨機応変に対応する必要があります。
また、長期的なインフレ(モノの値段が上がること)や税制の変更(消費税の引き上げなど)による年間支出の増加などにも対応する必要があります。
・社会的なつながりが薄くなったりや生きがいを失ってしまう可能性がある
FIREを達成することで生活のための労働から解放されることになります。
仕事をしている場合、職場の上司や同僚、お客さんなど、何らかの形で人と関わることとなり、望む望まないは別としても社会的なつながりは強いものです。
もし、これまで人との関わりの大半が仕事によるものだった場合、社会的なつながりが薄くなります。
また、日々の仕事をこなす中で得られていた成長や達成感を味わうことができなくなるため、生きがいを失ってしまうこともあります。
仕事以外に自分がやりたいこと、趣味などがたくさんあったり、一人で何かに打ち込める人は、とても幸せを感じる一方で、仕事を辞めてしまうことで、孤独や虚無感に苛まれる人もいます。
・厚生年金や社会保険などの会社員のための仕組みが適用されなくなり、負担額が増える可能性がある
会社員が仕事を辞めた場合は、厚生年金や社会保険などの会社員のための仕組みが適用されなくなり、負担額が増える可能性があります。
特に会社員の場合、厚生年金と国民年金の2階建ての仕組みから、国民年金だけになってしまうため、多くの場合、もらえる年金額が減ることとなります。
また、雇用主と折半であった社会保険料も、国民健康保険へ移行することとなり、支払う保険料が高くなる可能性があります。
FIREを目指す場合は、支給される年金額や納める必要がある健康保険料などを事前に調べておく必要があります。
FIREに必要な資産額の計算方法
では、具体的にどれくらいの資産があればFIREが実現できるのでしょうか?
FIRE後に働きたくない場合、年の支出の約25倍の資金を資産運用に回すことが必要となります。
例えば、年間の支出が176万円の場合(毎月13万円と臨時の支出が年20万円と仮定)
・家賃 5万円
・食費 3万円
・光熱・通信費 2万円
・娯楽 3万円
13万円✖️12ヶ月+20万円=176万円
これに、25倍をかけると
176万円✖️25倍=4,400万円となります。
年支出の約25倍の資産が必要になる理由としては、毎年、資産運用する金額の4%を30年以上にわたって切り崩したとしても、資産が0になる確率がほとんどないという、アメリカのトリニティ大学の研究によって、「4%ルール」が導き出されたためです。
なお、4%については、米国株式市場の成長率7%とインフレ率3%の差4%に基づいています。
もしあなたが、4,400万円を銀行にあずけ、毎年176万円を取り崩した場合は、以下のとおり25年で4,400万円は消えてしまいます。(利息はほぼないに等しいので加味していません。)
4,400万円÷176万円=25年
これを、年利7%で運用しつつ、年4%ずつ取り崩した場合は、なんと、毎年176万円よりも多く金額を取り崩すことができ、しかも25年後には、残額が8606万円と当初の4400万円から約2倍近くの金額に膨れ上がっています。(端数は切り捨ててます。)
年数 | 取崩額 | 残額((残額-取崩額)× 年利7%) |
---|---|---|
1年目 | 176万円 | 4,519万円 |
2年目 | 180万円 | 4,642万円 |
3年目 | 185万円 | 4,768万円 |
4年目 | 190万円 | 4,898万円 |
5年目 | 195万円 | 5,032万円 |
6年目 | 201万円 | 5,169万円 |
7年目 | 206万円 | 5,310万円 |
9年目 | 218万円 | 5,602万円 |
10年目 | 224万円 | 5,754万円 |
11年目 | 230万円 | 5,910万円 |
12年目 | 236万円 | 6,071万円 |
13年目 | 242万円 | 6,237万円 |
14年目 | 249万円 | 6,407万円 |
15年目 | 256万円 | 6,581万円 |
16年目 | 263万円 | 6,760万円 |
17年目 | 270万円 | 6,944万円 |
18年目 | 277万円 | 7,133万円 |
19年目 | 285万円 | 7,327万円 |
20年目 | 293万円 | 7,526万円 |
21年目 | 301万円 | 7,730万円 |
22年目 | 309万円 | 7,940万円 |
23年目 | 317万円 | 8,156万円 |
24年目 | 326万円 | 8,378万円 |
25年目 | 335万円 | 8,606万円 |
実際には、新型コロナウイルスの流行やウクライナ戦争による物価高騰など経済が常に安定しているわけではないため、ほぼ毎年取崩額の調整が必要です。
また、米国の研究であるため、日本におけるインフレ率や税制などの細かい状況に違いがあるため、そのまま適用するのは難しいです。
したがって、4%ルールは目安として、自分なりにカスタムして取崩額を3%へ減らすなど、自分なりのFIREを作り上げるのが良いです。
FIREを目指すための具体的な方法
FIREを目指すためには、大きく2つの方法を実践する必要があります。
支出を見直して貯蓄率を高める
FIREに必要な資産額は、年間の生活費によって変わるため、生活費が少なければ少ないほど、より早く達成することができます。
そのため、現状の支出を見直して貯蓄率を高めることが重要です。
まずは、家計簿をつけて自分の収入と支出を把握することがスタートとなります。
自分の収入と支出を把握することができれば、自分がどこに無駄なお金を使っているのか、逆に絶対に譲れない支出が明確になるため、無駄遣いや節約できるポイントも見つかりやすくなります。
更に無駄遣いや節約できるポイントを見つけた後は、支出の中で必要最低限のものとそうでないものを区別し、節約や削減することになります。
最低限必要なもの
・住居費
・食費
・光熱費等
そうでないもの
・趣味や娯楽
・外食
・旅行等
節約で大きな効果を出したい場合は、次の費用を見直すことがおすすめです。
・住居費
・通信費
・保険料
・車
具体的な解説は、別の記事でやる予定ですのでそちらをご覧ください。
支出を見直すことで貯蓄率を高めることができますが、ある程度支出を見直すことができた場合、収入を増やす必要があります。
収入を増やす方法としては、昇給やボーナスの増額を狙ったり、副業などで収入源を増やすなどがあります。
また、思い切って転職することにより、年収を数十万円から数百万円以上あげることもできます。
転職を考える場合は、今後も需要が見込まれるITエンジニア等への転職がおすすめです。
長期・積立・分散投資で資産運用する
FIREに向けて資産がある程度の金額貯まったら、次にすることは資産運用です。
資産運用することで、不労所得を得ることができ、より効率的に資産を増やすことができます。資産運用は、銀行に預けるお金と違って、元本保証がないため、お金が減ってしまうリスクもありますが、そのリスクは、長期投資・積立投資・分散投資という方法で低い水準に抑えることができます。
長期投資
長い期間をかけて資産運用をすることで短期的な市場の変動に左右されにくくなるとともに、複利効果によって、より高い確率で資産を増やすことができます。
積立投資
投資においては、基本的な考え方として、安い時に買って高くなったら売りその差額で儲けることとなります。
しかしながら、短期的な値段の上げ下げは、いくつもの要因が複雑に絡み合っているため、経済の専門家でも外すことが多く、初心者はカモにされることが大半です。
(もちろん、私もカモとなりました。)
積立投資の場合は、この値段の上げ下げを全く気にすることなく、しかも少額から投資を始めることができるため、リスクが減ります。
分散投資
分散投資とは、その名の通り複数の資産に分散して投資すること。一つの資産に偏らないことで資産額を大きく減らすリスクを分散することができます。
分散投資を野球に置き換えて考えてみると、
例えば、エンゼルスの大谷翔平選手一人に投資できた場合、打者ではホームランを量産するし、投手では三振の山を気付くので、今後も間違いなく年収が上がり利益も高くなります。
しかしながら、大谷選手は怪我をするリスクがあり、怪我をして長期離脱や復帰不可能となった場合、年収も大幅に下がってしまう可能性があります。
また、あと10年位は現役バリバリで活躍されるでしょうが、20、30年後となると間違いなく加齢による衰えが出てしまい、いずれ引退することとなります。
そこで、大谷選手個人ではなく、もっと多くの選手やエンゼルスそのもの、より広く捉えれば、メジャーリーグそのものに分散して投資した場合だと、アメリカの人口は今後、数十年間は増加し続けるため、メジャーリーグを見る人も増えていくだろうという推測ができ、リスクを抑えて資産を増やしていくことができます。
長期投資・積立投資・分散投資におすすめの投資
長期・積立・分散投資をするためには、投資信託やETF(上場投資信託)などの間接投資がおすすめです。
投資信託やETFは、プロの運用者が選んだ複数の銘柄に一括して投資することができる商品です。自分で銘柄を選ぶ必要がなく、手数料も安く、毎月一定額から始めることができます。
FIREに向けて資産運用をする場合は、株式や不動産などの成長性の高い資産に比重を置くことが有効です。成長性の高い資産はリスクも高いですが、長期的に見ればリターンも高くなります。また、配当金や分配金などの不労所得も得られます。
ただし、成長性の高い資産だけではなく、債券や金などの安定性の高い資産も一定程度組み入れることが大切です。
安定性の高い資産はリターンは低いですが、市場が下落したときに損失を抑える役割を果たします。自分のリスク許容度や目標期間に応じて、適切な資産配分を行うことが重要です。
おすすめの投資商品については、別途記事を書く予定なのでそちらを今しばらくお待ちください。
まとめ
FIREは、資産運用を通じて経済的自立と早期リタイアを目指す新しいライフスタイルのことで、メリットもデメリットもありますが、自分の好きなように時間を使える自由さは本当に魅力的です。
FIREを目指すためには、支出を見直して貯蓄率を高めたり、収入を増やしたりして資産を積み上げ、その資産をインデックス投資などの長期・積立・分散投資で運用して働かなくても得られる収入である不労所得を得ることが大切です。
FIREの達成には、10年から数十年かかるため、即効性があるものではありません。
しかし、一歩ずつコツコツと努力して計画的にFIREへの道を歩み続けることで、誰でも達成できる可能性があるため、とても夢があります。
なお、FIREを目指す初期段階においては、節約しつつ入金力をどれくらい伸ばせるかが、FIREの早期達成を握る鍵となります。
もし、今の会社の給料に満足していない場合や職場がブラック過ぎて十数年も働けない場合は、迷わず転職を考えましょう。